【お名前】ERIKOさん
【滞在期間】13週間
【コース】スタンダードコース
【滞在方法】ホームステイ
「語学留学に行く。」
そう聞くと、多くの人は「英語を勉強しに行く」と思うかもしれません。
しかし、今回お話を伺ったエリコさんは少し違いました。
看護師として働き、休職期間を経て、「この先、自分はどう生きたいのか。」そんな問いを抱えながら選んだ場所がフィジーでした。
目的は英語ではなく、自分のやりたいことを試すこと。
その挑戦の中で、気が付けば毎日英語を使っていた――。
今回は、そんな3か月についてお話を伺いました。
「語学」だけが目的ではありませんでした

本日はよろしくお願いします!
まず、フィジー留学を選んだ理由を教えてください。
実は、私は語学留学だけがしたかったわけではないんです。
看護師を休職して1年半ほど経っていて、「この自由な時間で何か人生が変わることをしたい」と考えていました。
29歳という年齢もあって、「今しかできないことをやろう」と思ったんです。
そんな時にカラーズを知りました。
決め手になったのは、ボランティアができること。
「英語を学ぶ」よりも、「海外で自分にできることをやってみたい」という気持ちの方が強かったですね。
幸福度が高いと言われるフィジーという国にも興味がありました。
「日本はこんなに恵まれているのに、なぜ幸せを感じにくいんだろう。」
そんなことをずっと考えていた時期でもありました。
「幸せに生きるって何だろう」を考えていた
フィジーが「幸福度の高い国」と言われていることも、行く前から知っていたんですよね。そこに興味を持った理由は何だったんですか?
日本って、いろんなものがあって、すごく恵まれていると思うんです。
でも、「なんでこんなに恵まれているのに、心の底から感謝できない自分がいるんだろう」とずっと考えていました。
看護師をしていたこともあって、医療について考えることも多かったです。
医療がこれだけ整っていて、長く生きられるようになって、それが本当に幸せなんだろうか。
「どうやって生きて、どうやって死ぬことが幸せなんだろう」と考えていました。
だから、幸福度が高いと言われているフィジーで、人がどう生きているのかを見てみたかったんです。
実際に3か月生活してみて、どうでしたか?
フィジーでは、普通に家の庭で野菜を育てて、それを料理して食べたりするんですよね。
ホームステイ先でも、モリンガの葉を1時間くらいかけてちぎって料理してくれたりして。
日本では「便利」「時短」がいいとされることが多いけど、食べるものを自分たちで整えて、そこに時間を使っている。
本来は生きるために食事を整えて、仕事をするはずなのに、私は日本では「働くために生きる」みたいになっていたなと思いました。
分かっていたつもりだったけど、実際に海外で生活して、見て、体験したことで答え合わせができたような感じでした。
孤児院で考えた、「私にできることは何だろう」

フィジーで生活する中で、エリコさんはカラーズのボランティア活動を通して孤児院を訪れました。
そこで出会った子どもたちや、現地で聞いたさまざまな背景について考える中で、「自分にも何かできることはないだろうか」という思いが強くなっていきます。
そこから、ご自身が学んできたアロマをフィジーでもやってみようと思ったんですか?
そうですね。
孤児院の子たちは、見た感じはすごく元気だったんです。
でも、いろいろな背景があることも知って、「自分にできることはないかな」と考えました。
その時、自分にできることとして思いついたのがアロマだったんです。
私は休職していた時に、自分自身が香りに助けられた経験がありました。
だから、「香りだけでも何か届けられるんじゃないかな」と思いました。
やりたいと言っても、すぐにできたわけではなかった
「アロマをやりたい」と言って、すぐに実現したんですか?
全然です(笑)。
最初は、「孤児院はカラーズが勉強を教えに行く場所だから、アロマだけをしに行くのは難しい」と言われました。
でも、木曜日に少し自由な時間があるという話になって。
そこから「いつできますか?」「誰の許可が必要ですか?」って、3週間から1か月くらいずっと聞いていました。
たぶん毎週、かなりしつこく聞いていたと思います(笑)。
その間に、英語でアロマを説明する練習もしていたんですよね。
はい。
先生たちにも実際に体験してもらったし、日本人の学生にも協力してもらいました。
「どうしたらもっと簡単に伝わるかな」って考えて。
私自身が難しい英語は分からないので、逆に、分かりやすくシンプルに伝えることをすごく考えました。
「好きな香りを選んで、6回深呼吸してみて」
実際には、どんなことをするんですか?
6種類くらいの香りを用意して、まず全部嗅いでもらいます。
その中から自分が好きな香りを選んでもらって、香りを嗅ぎながら6回深呼吸する。
孤児院でやる時は、その誘導を英語でする練習もしました。
香りと記憶ってつながっているんですよ。
例えば、ある香りで昔のことを思い出したりすることってあるじゃないですか。
私はアロマを使ってほしいというより、「香りで気持ちが変わることがある」ということを伝えたかったんです。
つらい時に、自分の好きな香りを嗅いで気持ちを切り替える。
そういうことを知ってもらえたらいいなと思っていました。
やりたいことが増えるほど、英語を使う場面も増えていった

孤児院での活動だけで、エリコさんの挑戦は終わりませんでした。
日本で関わりのあったアロマ関連企業が支援しているフィジーの公立小学校があることを知り、「そこにも行ってみたい」と考えます。
しかし、公立小学校で活動するためには、教育省の許可が必要でした。
教育省にも自分で電話したんですよね?
しました(笑)
ちょうど授業でディベートをやった後くらいだったんです。
先生に相談したら、電話で話すシナリオを書いてくれて。
私はまだ自分で文章を全部作るのは難しかったけど、書いてもらった文章を読むことはできる。
だから、「分からなくなったら先生に代わってもらえばいい」と思って電話しました。
スバ(首都)の方からOKをもらって、その後ラウトカ市(カラーズのあるナンディの隣の市)でも許可を取って、最終的に小学校へ行くことができました。
一人だったら全部はできなかったです。
先生や周りのみんなに本当に助けてもらいました。
マンツーマンレッスンが「やりたいことを相談する時間」になった
スタンダードコースの授業についても聞きたいんですが、特にマンツーマンはいかがでしたか?
マンツーマンは良かったです。
後半は、フリートークが多かったですね。
ボランティアのことを相談したり、自分が分からないことを聞いたり。
プレゼンも先生に「やりなさい」と言われていたので、最後に自分でスライドを作って英語で発表しました。
アンケートも英語で作りました。
そういう活動をすると、授業とは違う英語も必要になりますよね。
そうなんですよ。
例えば「アンケートって英語で何て言うんだろう?」って調べて、surveyって知ったり。
自分が日本でやっていたことがベースにあって、それを英語でやろうとすると、必要な言葉が出てくる。
だから、やることと英語がつながっていく感じでした。
3か月で、約150人に届けた

最終的には、どれくらいの人にアロマの活動をしたんですか?
数えてみたら、結構やっていました。
香りを使ったセラピーを100人くらい。
施術は50人くらいです。
リピートの人もいるし、日本人の学生や先生、ホームステイの家族にもやりました。
最後に小学校で50人くらいにできたのも大きかったですね。
3か月で150人くらい。
自分でも「意外とやったな」って思いました(笑)
3か月ですよね。それだけ活動したら、英語を使う機会もかなり多かったでしょうね。
そうですね。
でも私は、英語をきれいに話せるようになってからやろうとは思っていなかったんです。
間違っている英語も堂々と話していました(笑)
分からなかったら、相手も聞き返してくれる。
だから、それでいいかなって。
私はずっと、「言葉で通じるものもあるし、言葉じゃなくても通じるものもある」と思っていました。
香りもそうです。
喋れなくても、絶対に伝わるものはあると思っていました。
「間違えないこと」より「黙らないこと」

3か月を通して、英語に対する怖さは変わりましたか?
今はもう、ミステイクするしかないと思っています(笑)
最初の頃は、頭で考えても分からないものは分からないので、とにかく早く返事をするようにしていました。
「Yes」「No」「I don’t understand」でもいい。
黙るのが一番よくないと先生にも言われていたので。
分からないなら、分からないと伝える。
そうすると先生が別の言葉で説明してくれる。
英語だけじゃなくて、「自分の意思を伝える」ということが大事なんだと思います。
学校とホームステイ、その両方があったから見えたフィジー

ホームステイを選んだことも大きかったですか?
大きかったですね。
学校で過ごした時間と、ホームステイで生活した時間は、自分の中では半々くらいです。
どっちも自分を変えてくれたと思います。
ホームステイだから、フィジーの日常生活に入っていけた。
観光で島へ行くだけでは分からないことがたくさんありました。
食事もそうだし、家族との時間もそう。
その国のことを知りたいなら、生活の一部に入らないと分からないことがあると思います。
もちろん大変なこともありましたけど、それも含めていい経験になりました。
一番変わったのは、「やりたい」と思ったら動くこと
約3か月生活して、一番自分の中で変わった、あるいは成長したと思う部分はどこですか?
言葉に関係なく、自分の内側で「やりたい」と思ったことを、行動する、聞く、やってみる。
その力は、より高まったと思います。
私はもともと考えすぎると動けなくなるタイプだったんです。
「親にどう説明しよう」「将来どうしよう」「こっちの方が安全かな」って考えていると動けなくなる。
だから今は、やりたいと思ったらまず動く。
英語も一緒でした。
分からないなら「分からない」と言う。
やりたいなら「やりたい」と言う。
言ったら、先生たちが助けてくれる。
フィジーでは、それを何度も経験しました。
これから挑戦したい人へ。「まず、体験してみてほしい」

最後に、社会人になって「何か挑戦してみたい」と思いながら、なかなか一歩を踏み出せない人へ、何か伝えるとしたらメッセージはありますか?
やらないで後悔するより、やって後悔する方がいいと思います。
考えて動けないなら、まず誰かに言ってみる。
それでも分からなかったら、とりあえず体験してみる。
その輪の中に入ってみないと分からないことって、いっぱいあると思うんです。
私は、体験が財産だと思っています。
高いものを買ったり、いい服を着たりすることより、物にならない体験にお金を使ってほしい。
行動することのハードルが高いなら、まず体験してみる。
体験した人にしか語れないことって、いっぱいありますから。
英語を学ぶだけではなく、英語を使って「やってみる」
エリコさんは、英語を身につけることだけを目的にフィジーへ来たわけではありませんでした。
「海外でボランティアをしてみたい」
「自分が学んできたアロマを誰かに届けてみたい」
「自分とは違う環境で生きる人たちを知りたい」
そんな一つひとつの「やってみたい」が先にありました。
そして、それを実現しようとすれば、英語が必要になります。
先生に相談する。
マンツーマンレッスンで説明を練習する。
プレゼンを作る。
教育省へ電話する。
現地の子どもたちに伝える。
ホームステイ先の家族と生活する。
やることが増えるほど、英語を使う場面も増えていきました。
もちろん、すべてを一人で実現したわけではありません。
先生が英語を一緒に考え、周りの学生が練習に付き合い、フィジーの人たちが「やってみたい」という思いを受け止めてくれたからこそ、実現できたことがたくさんあります。
それもまた、エリコさんがフィジーとカラーズで得た経験の一つでした。
英語が完璧になってから何かを始めるのではなく、まずやってみる。そのために英語を使ってみる。
「やりたいことがあるから、英語を使った。」
エリコさんの3か月は、そんな留学の形があることを教えてくれました。
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