毎年恒例の世界幸福度ランキング。フィジーは直近4年間で3度、1位を獲得しています(1位を逃した2015年は2位でした)。
フィジーは経済的には豊かではありません。むしろ貧しい発展途上国。働いてない人も多いし、平均寿命も短い。乳児死亡率も高いし、ちょっと前まで(2014年9月)軍事政権で政治的にも不安定。でも、国民が世界でいちばん幸せを感じています。なぜでしょうか?
理由はいろいろありますが、一つだけ挙げるとすれば、「人類みな兄弟」力。言い換えれば、他人事を自分事として感じ、相互扶助する力です。たとえば、こんなことです。
・スーパーのレジでお金が足りなくて困ってたら、後ろに並んでた見ず知らずの人が不足分を払ってくれる
・5人目の子供を産んだ女性が、子供ができない夫婦に、生まれた子供を譲る
・東日本大震災から8年弱が経過。8年前から毎日欠かさず、被災者のことを思って「祈り」を捧げてくれてるフィジー人がいる。日本とは縁もゆかりもない人なのに、日本人でさえ震災のことを忘れてしまってる人がいるのに…。
・温暖化の影響で水没の危機にあるキリバス共和国。でも、どこの国も「自国の経済発展」を優先し、キリバス人の受け入れを嫌がる。そんな中、フィジーの大統領がキリバスを訪問し、こう宣言した。「国際社会が温暖化対策に失敗すれば、全員フィジーに移住したらいい。我々は困っている隣人に背を向けることはない」
ご近所さんレベルの小さいコミュニティから地球規模のコミュニティまで、自分の家族のような感覚でいるフィジー人。「お金」なんかよりも「人とのつながり」を重視するフィジー人の考え方が、世界一幸福な国民と言われる所以なのでしょう。