留学中にフィジー初のコロナ感染者が見つかり、隣町がロックダウンされたり、空港が閉鎖されたりと、フィジー社会が揺れました。そんな時期に現地で親子留学をされていた岡部さん(母親)にインタビューさせていただきました。今回の世界的な非常事態をポジティブに捉え直し、むしろフィジーでの学びの質をさらに高めていたように感じます。コロナによる激動期の親子留学で獲得できたものについてお伺いしています。
【お名前】岡部 正美さん・想真くん
【職業】
(母親)コンサルタント/キャリアカウンセラー
(息子)小学5年生
【留学期間】1ヶ月
━━そもそも、なぜフィジーでの親子留学だったんですか??
フィジーの一人一人の幸せ認識度が高いことやシェアなど、フィジー人の考え方や文化を生で学びたいと思ったことが、フィジー留学を決めたきっかけです。
さらに、フィジーの治安や国民性、環境などもよさそうだったので、フィジーの文化や生活を子供にも経験してもらいたいと、親子で行くことにしました。
━━今回、親子留学をするに際し、目標としていた点はどういうことですか?
息子に関しては今回が初海外でした。日本の日常だけがすべてではないということを実感してもらいたいと考えていました。
私自身の留学目的は「日本で感じていた違和感」を外の世界から眺めてみたかったというものです。
━━そうなんですね。実際にその目標はどの程度、達成できましたか?
私も息子も目標を200%達成できたと思います!
初海外の息子にとっては、フィジーでの1ヶ月は何事も新鮮で、彼の好奇心を掻き立てるもので満たされていました。
私自身は留学前に、「経済優先主義への違和感や、社会への閉塞感」を感じていました。フィジーに来てみて、フィジー人が大切にしている価値観やライフスタイルに触れ、感じていた違和感に対して心がクリアーになりました。
━━フィジー人の価値観ってどういうものですか?
日本だと「経済をまわす」ことの優先度が非常に高いと感じますが、フィジーだと「健康でいること」や「日々、幸せに生きること」といったことが優先されます。だから、新型コロナの感染者が1名出たときにすぐにロックダウンを政府が決断しても、「経済はどうするんだ!」といった不満は国民からあがらず、当たり前のように自宅待機をする姿勢に心を打たれました。
━━すごい大きなものに気づかれたんですね。でも、そこに気づいた分、日本に戻ると、より居心地が悪くなったりしませんか?
大丈夫だと思います。自分自身の考えも整理できましたし、アフターコロナは、日本の価値観も変わっていきそうです。このタイミングだからこそ、フィジーエッセンスをうまく加えて前に進むことができそうに思っています。
また、いずれは日本だけでなく海外に拠点を持つこともいいかもしれないと、視野が広がりました。
━━想真くんは留学を通じて、どういう変化がありましたか?
いろいろとありますが、いちばん大きかったと感じるのは、日本での机上の勉強に「必要性」が紐付いたことだと思います。
━━どういうことですか?
今回のフィジー留学でいろんな体験をしました。その都度、日本で学んできた知識が役に立つという経験をしたんです。
たとえば、日本で学んできた歴史なんかも、ホストファミリーからいろいろと日本のことを質問されて答えるときに役立ったし、そもそも日本で勉強していた英語だって、それがまったくなければ何も伝えることができませんでした。留学って、日本での学びを実践する場として最適なんだと実感しました。
━━なるほど! じゃあ、日本帰国後もより勉強に励めそうですね。他には想真くんにどんな変化を感じますか?
いろんな引き出しが増えたと思いますし、世界は広いと感じられたことは財産です。あと、日本とフィジーで「違うものもあれば、同じものもある」ということがわかったと思います。
━━違うものと同じもの?
はい。当たり前ですが、食べ物や住居など、日本と違う部分はたくさんあります。一方ホストファザーから「挨拶」や「食事中は遊ばない」等のマナー部分について息子に言ってもらえることがあって、それって日本と同じで普遍的に大切なことなんだということが学べたと思います。
━━想真くんはホストファミリーの子供たちとも積極的にコミュニケーションをとっていたように思います。日本にいるときから英語を勉強していたんですか?
留学をする前に、半年ほどアプリを中心に勉強をしていました。1日10分くらいですが。ホストファミリーの子供たちとは実の兄弟姉妹のように仲良く楽しんでましたね。広い庭を駆けまわったり、レインシャワーといわれるフィジーの遊びをしに土砂降りの雨の中でも、外にでてビショ濡れになりながら遊んでいました(笑)最近、見たことがないほど生き生きとした表情が心に残っています。
━━今回は世界的な新型コロナウィルスの影響があり、フィジーからの出国便がなかなか決まらないという経験をされました。初海外でそんな体験をした想真くんは海外嫌いとかになってないですか?
全然です。むしろ逆で、外国に対するハードルがすごく下がったと思います。フィジー人は日常生活ではわかりやすい表現を使っているように感じましたし、英語力が高くなくても十分にコミュニケーションがとれる優しい国民性もあるので、息子の英語力でも結構理解できていたように思います。
それから、今回のフィジー留学を通じて、息子に1つの夢が生まれました。
━━え? どんな夢ですか?
外交官という夢です。
今回のコロナ関連で発生した諸問題の解決に向け、学校関係者の方にも大変お世話になりました。また、違う立場としてフィジーの日本大使館の方々が精力的に頑張っておられることも知りました。コロナの問題がなければ、息子が海外で日本人をサポートする仕事があることや、大使館を意識することもなかったと思います。息子は歴史や社会、外国の文化、語学などに興味があり、それらの知識が活用できる仕事として、「外交官」が浮かびあがってきたのは、留学期間中の自分をサポートしてくれた学校関係者や大使館の活躍を目の当たりにしたことがキッカケです。
━━たった1ヶ月の留学で「夢」まで見つかるって本当にすごいですね!
ホントですね。
━━想真くんにとって、留学中にいちばん楽しかったことは何だったと思いますか?
息子は今回の留学でいちばん楽しかったことは「学校の授業」だと言っていました。マーケットや孤児院や動物保護センターなどに社会科見学に行ったり、理科の実験をやったり、日本の学校とは全然違って楽しかったと。
━━また、フィジーに来たいと思ってくれますかね?
そうだと思います。
住みたいと言っているくらいなので(笑)
━━留学全体を通して、ざっくりどうでしたか?
来てよかったです!!
━━ありがとうございます! ぜひぜひまたのお越しをスタッフ・教師一同、お待ちしております!